
カラマーゾフの兄弟(中)(新潮文庫)
ドストエフスキー and 原 卓也
千歳出版
累計読者数7
平均ハイライト数 14件/人
推定読了時間 約20時間49分
star総合評価 49/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 16%
この本について
忙しく過ごしていると、ふと夜に「今日やるべきことをちゃんとできたかな」とざわついたり、人と比べて落ち込んだり、自分の善意すら疑わしく思えたりすることがあります。頭では前向きに生きたいと思っていても、心の奥では混乱したまま、という日も多いですよね。僕も同じで、そんな時に手が止まったまま長く開いていたのが、この『カラマーゾフの兄弟(中)』でした。 この巻の抜粋を眺めていると、読者が惹かれているのは「人の弱さと、それでも前に進もうとする瞬間」なんだと思います。善行と呼べるかどうかあやしい葱の話にしても、衝動で人を傷つけて四十年後も苦しむ告白にしても、人の行いは混ざりものだらけで、それを嘘なく描いてくれるから、自分の迷いもそのまま置ける。さらに、アリョーシャが大地にひれ伏したあと立ち上がる場面のように、救いが劇的ではなく、静かな決意として描かれるのも、この本の効き方の特徴だと思っています。 読んでいると、完璧な信念を持つよりも、まずは「気づいたらすぐ起きて実行してみる」とか、「自分の正しい行いを恥じなくていい」とか、ほんの僅かに行動の向きが変わるような感覚があります。人生は楽園なのに僕らが気づこうとしない、という言葉はスローガンではなく、そういう小さな姿勢の延長にある景色なんだろうなと感じます。 迷いながらも、自分の弱さを抱えたまま生きている人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
粗野で暴力的、淫蕩の限りを尽くす父親フョードル・カラマーゾフと3人の兄弟をめぐる濃厚な人間ドラマ。ドストエフスキーの最高傑作の一つであり、『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』とともにドストエフスキー五大長編と称される世界文学屈指の名作にして問題作。往年のロシア文学者中山省三郎の読みやすい名訳を上・中・下巻セットで合本した完全版。
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