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輝ける碧き空の下で 第一部(下)(新潮文庫)

輝ける碧き空の下で 第一部(下)(新潮文庫)

北 杜夫

新潮社

累計読者数3
平均ハイライト数 4.3件/人
推定読了時間 約4時間50分
star総合評価 48/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 52%

この本について

仕事でも生活でも、何かを「仕切り直したい」と思いつつ、うまく呼吸が合わない時期ってありますよね。気持ちは前に向いているのに、現実のほうが重たくて、ちょっとした揺れで酔ってしまうような感覚。そんなときに、北杜夫『輝ける碧き空の下で 第一部(下)』を読み返すと、なぜか自分の足元が少しだけ整う感じがしました。 読者の方が保存していた抜粋には、「第二の出発」という言葉や、汽車の振動に酔ってしまう子どもたちの描写、さらに澎湃、悽愴、澄明のような情緒のグラデーションが並んでいました。ここに刺さっている人は、おそらく“前に進みたいと思いながらも揺れの中にいる自分”を重ねているんじゃないかと思います。この作品は、人生の転機を壮大に描くのではなく、むしろその周辺のざわつきや不安定さを丁寧に拾ってくれるところが効いてきます。主人公の香山が一等車に乗りながらも、決して颯爽とはしていない姿には、現実味のある「出発の不器用さ」が詰まっています。 さらに、この物語は語彙そのものが空気を作っているのも特徴です。澄明の静けさと悽愴の陰りが同じ地続きにある世界で、人の決意はそんなに劇的には変わらない。でも確かに揺れながら動いていく。そういう温度感が、迷いながら進む自分の背中をそっと押してくれる気がします。大きな成功物語よりも、移動中の微妙な体温を描いた小説に救われる人には、特にしっくりくるはずです。 こんな人に刺さると思います。人生をもう一度始めたいけど、まずは自分の揺れを受け止めたい人。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

明治四十一年、第一回ブラジル移民七百九十一名を乗せ笠戸丸がサントスに入港した。夢と希望に満ちた彼らを待ち受けていたのは、苛酷な自然と厳しい労働だった――。大農場で農奴にひとしい生活を送る井原・山口家の人々。色々な職業を転々とする香山六郎。農場主に支配されない日本人入植地を夢みる平野運平。紺碧の空の下、苦闘する初期移民の姿を描いた構想十余年の大作第一部。
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