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スワロウテイル人工少女販売処

スワロウテイル人工少女販売処

籘真千歳

早川書房 / 2010-06

累計読者数3
平均ハイライト数 5.7件/人
推定読了時間 約10時間29分
star総合評価 39/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 28%

この本について

人と関わるとき、自分の“元からの気質”みたいなものに振り回されている感覚ってありませんか。気づいたら同じ反応をしてしまったり、状況が変わると急に自分がブレたように感じたり。機械みたいに論理的に動ければ楽なのに、人間はそうはいかないよなあ…と僕もよく思います。 『スワロウテイル人工少女販売処』の抜粋を見ていると、多くの人が保存していたのは「人格は最初からある程度“設定”されている」という部分でした。人工妖精の世界の話ではあるんですが、これって人間の気質にも重なる視点なんですよね。努力や経験で変わっていく部分はあるけれど、最初に持っている方向性みたいなものは確かに存在する。その前提を受け入れることで、無理に理想の自分を作ろうとして摩耗していた気持ちが少し軽くなるところがあります。 もうひとつ刺さりそうなのが、「模倣元を失うと狂ってしまう」という描写。これを読むと、自分が誰を基準に生きてきたのか、そしてその基準が変わったときにどう立て直すのか、ふと考えさせられます。成長の節目で感じる“居場所のずれ”に似ていて、物語を追っていくだけで整理されていく感覚がありました。 AIの第一原則がさらっと出てくるように、この作品はSFなんだけど、人間のほうがよほど不安定で不確実だという事実をむしろ際立たせます。自分の中の揺らぎを、物語というクッション越しに扱いたい人に向いています。 人間の“設定”に悩みがちな人に、そっと効く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

“種のアポトーシス”の蔓延により、関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、人を模して造られた人工妖精と生活している。その一体である揚羽は、死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団の曽田陽介と共に連続殺人犯“傘持ち”を追っていた。被害者の全員が子宮を持つ男性という不可解な事件は、自治区の存亡を左右する謀略へと進展し、その渦中で揚羽は身に余る決断を迫られる―苛烈なるヒューマノイド共生SF。
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