
舞姫
森 鴎外
しみじみ朗読文庫
累計読者数10
平均ハイライト数 6件/人
推定読了時間 約44分
star総合評価 51/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 45%
この本について
仕事でも人間関係でも、自分の判断に自信が持てなくなる瞬間ってありますよね。順調な時は決断力がある気がするのに、いざ逆境に立つと途端に心が曇ってしまう。相手への思いと、自分の立場や責任のあいだで揺れ続けてしまう。読者の方が保存していた抜粋を見ていると、まさにその揺らぎの部分に惹かれているように思いました。 『舞姫』の主人公は、自分の弱さや矛盾に向き合わざるを得なくなっていく人物です。自分を強いと思っていたのに、実は外の期待に合わせていただけだったことに気づく場面や、感情が揺れた瞬間の自分を後から振り返って戸惑う姿が、とても生々しい。決断したつもりでいても状況が変われば迷いに戻ってしまう、そのリアルさが、いま悩んでいる人の感覚と重なるはずです。 もう一つ、この作品が効いてくるのは「自分の心がどこへ向かおうとしているのか」を言葉にしづらいときです。相手を思う気持ちと、社会の中で生きる自分との差に揺れながら、それでも何を優先するのかを考える視点が与えられます。好き嫌いの問題ではなく、惰性や思い込みで動いてしまう自分をどう扱うか。そのあたりを静かに照らしてくれる小説です。 こんな人に刺さると思います。感情と義務のあいだで揺れやすく、「自分の本心ってどこにあるんだろう」と立ち止まることがある人。読んで救われるというより、揺れていいんだと少し呼吸が戻るタイプの一冊でした。
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出版社による紹介
【解説】 森鷗外の『舞姫』は、1890年(明治23年)に『国民之友』に発表された短編で。ドイツに官命で赴任した青年男性の手記の形をとり、生い立ちからドイツでの経験までを綴る。高雅な文語の文体と浪漫的な内容で、鷗外初期の代表作とされています。 内容は、大学時代までを常に優秀な成績で通した青年が、官庁に入りドイツでの調査を命ぜられ赴任し、現地での仕事も概ね果たしつつあったところで、踊り子のエリスと知り合い、愛情を深めていきましたが、曲折を経て、彼女を裏切り帰国する結果となったことについて、その経緯と悔恨とを縷々綴ったものです。 鷗外がドイツ留学から帰国してまもなく、鷗外を追ってドイツから女性が来日していますが(「エリス来日事件」)、本作はその女性と鷗外の恋愛経験を基にした創作と言われています。 この現代語訳は、文語体の作品をより身近に読めるようにするために、生成AIも活用しながら、原文の内容、雰囲気をできるだけ生かしつつ作成したものです。小段落は、編訳者によるものです。 また、末尾には原文を併せて収録しています。 現代語訳を朗読したオーディオブックを、響林社より、オトバンクのaudiobook.jpなどでネット配信するほか、アマゾンなどでCDとしても発刊しています。
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