
妄想
森 鴎外
Gakuju Shoin, Publishers Lt / 2003-07
累計読者数3
平均ハイライト数 23.7件/人
推定読了時間 約3時間46分
star総合評価 63/100
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この本について
生きているだけで、ずっと何かに追い立てられている気がして、「この役割をこなしている自分の奥に、もう一段なにかあるんじゃないか」と落ち着かないまま日が暮れる。そんな感覚って、誰に言うでもなく胸の奥で沈んでいくものですよね。仕事でも勉強でも、人から見れば順調に動いているのに、当の本人はどこかで自分を置き去りにしている感じがする。 森鴎外の『妄想』は、その言葉にならない“置き去り感”をそのまま掬い上げてくれます。自分が舞台で役を演じているだけだと感じたり、何か大事なものが目を覚まそうとしては眠ってしまう気配がしたり、未来を追いながら現在を蔑ろにしてしまう自分に苦笑したり。読んでいて慰められるというより、「ああ、こういう迷い方は昔から人間の中にあったんだ」と背中を軽く押されるような感触があります。死や自我についての重たい思索も、“深刻ぶっていないのに深い”という不思議な温度で語られていて、読者の心の底に静かに沈んでいきます。 とくに、役割に追われてばかりで、自分自身を考える余白がなくなっている人に刺さると思います。道を探している途中の感覚を、そのまま抱えて読んでみるとちょうどいい一冊です。
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出版社による紹介
本書は、編者のもとに結集したドイツ語圏の主要な精神病理学者たちが、「パースペクティヴ性」という新たな概念を援用しながら「妄想」の解明を試みた記念碑的論文集である。パースペクティヴの可能性や能力は妄想においてどのように損なわれているのか、そしてこのことは妄想体験を理解する際にどのような意味をもっているのか、さらには妄想的でない関係はいかにして成立可能なのか、といった問題に迫る。
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