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逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

絲山秋子

講談社 / 2007-08-10

累計読者数3
平均ハイライト数 2.3件/人
推定読了時間 約2時間4分
star総合評価 46/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 90%

この本について

仕事でも日常でも、「もうちょっと頑張れたはずなのに、今日は無理だな」とふいに限界が来ることがあります。理由は説明できないのに、胸の奥だけがざわついて、どこにも居場所がない感じになるあの時間。自分でも扱い方がよくわからない心の揺れを、どうしたらいいのかと思いながら過ごす日ってありますよね。 『逃亡くそたわけ』の抜粋を読んでいて、刺さる人はその“揺れ”そのものに反応している気がします。意味のわからない言葉が頭の中で鳴り続ける感覚とか、線香花火が終わった瞬間の「紛れていたさびしさ」が一気に押し寄せるところとか、説明のつかない衝動に身体をもっていかれる主人公の感覚が、とても生々しい。自分でもうまく語れない気持ちに言葉を与えてくれるところが、この本の大事な位置だと思います。 物語としては逃避行ですが、読みながら感じるのは「逃げたい」と「戻りたい」が同時に胸にあるあの複雑さです。どこにも落ち着けない時に、それでもどこかへ向かおうとする気配が、この作品にはちゃんと描かれています。自分の情緒がぐしゃっとしている時に読むと、無理に整えなくてもいいんだと思わせてくれる。そのままの混乱でも物語は進むし、人も生きていける、という微妙なリアリティがあります。 行き場のない気持ちを抱えたまま生きている人に、静かに届く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に悩まされ、なごやんと衝突しながらも、車は福岡から、阿蘇、さらに南へ疾走する。(講談社文庫)
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