
たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫)
原田マハ
幻冬舎 / 2017-10
累計読者数32
平均ハイライト数 16.3件/人
推定読了時間 約8時間10分
star総合評価 61/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 31%
この本について
仕事でも日常でも、自分の判断に自信が持てなくなる時がありますよね。周りの声に揺れたり、やたらと比べてしまったり。前に進みたい気持ちはあるのに、足元がふわつくようなあの感じ。僕もよくそこで立ち止まってしまいます。 『たゆたえども沈まず』を読んで印象に残るのは、派手な成功ではなく、揺れながらも自分の眼で世界を見ようとする人たちの姿でした。読者が保存した抜粋に、色や空気や質感をとらえる描写が多いのは、彼らが外側の評価よりも「自分が何を見るか」を大事にしているからだと思います。たとえば、絵を見せた瞬間に放たれる「もうひとつ窓ができるようだ」という言葉は、作品そのものより、その人の世界がどう広がったかに焦点がある。こういう瞬間が、この物語には静かに積み重なっています。 また、「たゆたえども沈まず」という言葉が繰り返し出てくる場面は、迷いを否定するのではなく、揺れている状態ごと受け入れる視点を教えてくれます。強くあれ、折れずにあれ、みたいな理想論ではなく、葛藤を抱えたままでも前に進めるという現実的な感覚がある。美術の世界の喧騒や猜疑、羨望の空気が描かれるからこそ、その静かな芯が際立つのだと思います。 ものごとを急に割り切れなくて困っている人にこそ刺さる一冊です。読後に「揺れている自分でもいいか」と、少しだけ呼吸が楽になるような本でした。
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出版社による紹介
19世紀末、パリ。浮世絵を引っさげて世界に挑んだ画商の林忠正と助手の重吉。日本に憧れ、自分だけの表現を追い求めるゴッホと、孤高の画家たる兄を支えたテオ。四人の魂が共鳴したとき、あの傑作が生まれ落ちた―。原田マハが、ゴッホとともに闘い抜いた新境地、アート小説の最高峰。ここに誕生!
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