
ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)
原田マハ
集英社 / 2015-06-30
この本について
仕事でも生活でも、気持ちがざわつく日ってありますよね。人間関係でも、将来でも、何か“すぐに答えは出ないもの”に付き合わされている感じがして、うまく呼吸ができない。そんなとき、自分の視点そのものを少しだけ緩めてくれる本に出会えると、思った以上に前に進めたりします。 『ジヴェルニーの食卓』は、まさにそのタイプの本でした。読者の方が保存していた抜粋を眺めていても、刺さっているのは「世界の見え方が変わる瞬間」なんですよね。例えば、人間関係に効くのは“万能薬としての時間”という視点。これだけで、いま抱えているもつれを、無理にほどこうとしなくてもいいのかもしれないと思えます。また、マティスやモネが“一瞬のひと目ぼれ”を追いかけ続ける姿には、成果や合理性だけでは拾えない“好きの端っこ”を大事にしていいんだという許しがある。さらに、偶然の積み重ねが運命のハンドルを動かしているという語りは、人生を少し長いスパンで見直すきっかけになります。 大きな学びを求めるというより、「いまの自分の生活が、少しだけあたたかく見える視野の広がり」を求めている人に向いている本だと思います。忙しさに飲まれる日々でも、光の揺れや、テーブルの上の果物の位置がちゃんと“世界の一部”として存在していることを思い出させてくれる、そんな読後感があります。 こんな人に刺さるはずです。 “効率よりも、心がどこを向いているかを確かめたい日がある人”。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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