
パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)
川内有緒
幻冬舎 / 2010-07-07
この本について
仕事でも生活でも「このまま同じ景色を見続けていていいんだろうか」と、ふと立ち止まる瞬間ってありますよね。頑張りたい気持ちはあるのに、前に進むための温度が上がらない。かといって無理に気合いを入れると、かえって空回りする。そんな時にこの本を読むと、視界が少しゆるむというか、自分の輪郭を整え直せるような感じがします。 『パリでメシを食う。』に出てくる人たちは、ものすごい挑戦をしているのに、どこか自然体です。厨房の緊迫感に惹かれてもう一度ゼロから修業に戻る人もいれば、「作れれば幸せ」と肩の力が抜けた言葉を口にする人もいる。パリという街の雑多さの中で、自分のペースや価値観をもう一度つかみ直していく姿がとてもリアルで、無理に“正解”を追いかけなくていいんだと思わせてくれます。特に、作り置きをしないレストランのように「今、この瞬間」を丁寧に積み重ねていく姿勢は、日常の小さな行動にも置き換えやすいところです。 読んでいると、環境の違いや他人の価値観に触れることで、自分の固定観念が少しずつほどけていく感覚があります。パリジャンのゆるい生き方や、多文化の中で育つ子どもの「全部並列」という感覚は、何かを勝手に上下で判断してしまう自分に気づかせてくれました。上昇したい気持ちを持ちつつも、力みすぎずに暮らしていくヒントが転がっています。 自分の立ち位置を見失いがちな人や、「一度ほぐれてからまた歩き出したい」と感じている人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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