
憂鬱でなければ、仕事じゃない (講談社+α文庫)
見城徹 and 藤田晋
この本について
仕事で大きな判断を迫られたとき、胃のあたりがずっと重いまま動けなくなることがあります。考えても答えが出ないし、かといって放っておくと余計不安になる。僕もよくその堂々巡りに落ちます。でもこの本を読むと、悩んで足が止まっている時間そのものが「暗闇の中でジャンプする直前」なんだと思えてきます。避けたい憂鬱じゃなくて、前に進むための予兆みたいなものとして。 刺さったのは、薄氷を踏むときの負荷こそが仕事の実感になる、という視点でした。安心できる作業ばかり続けると、確かに自分のスケールが変わらないままなんですよね。小さな無理や不可能に体をねじって取り組むことで、ようやく少し世界が広がる。もう一つ印象的だったのは、人間関係の「細かな情」を軽く扱わない姿勢です。合理的に見える関係の下にも情や義理や恩が積み重なっているから、小さな依頼への返し方ひとつで信頼が決まってしまう。実務の現場だと、こういう部分が一番効いてくるのを何度も感じます。 派手な成功の話ではなく、成功体験をいったんゼロに戻す冷静さや、自分の実力を過信しない怖さまで書かれているので、いい意味で身の丈を意識させられます。過度に勇ましいことは言っていないけれど、読んだ後は自分の弱さや迷いを抱えたままでも一歩分は動ける感じがします。 迷いながらも仕事の質を上げたい人、そして「小さなことを丁寧にやる意味」をもう一度確かめたい人に向いている一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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