
WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方
ジル・ボルト・テイラー and 竹内 薫
NHK出版 / 2022-06-28
この本について
最近、頭では「こうすべき」と思うのに、心がまったくついてこないことが増えていました。仕事の判断も、人とのやりとりも、どこか自分の中で噛み合っていない感じがして。考えすぎなのか、感情に振り回されているのか、自分でもよくわからない。そんなモヤモヤを抱えているときに読んだのが、この『WHOLE BRAIN』でした。 この本が面白いのは、「心と頭がバラバラになるのは、人格の問題でも気合いの問題でもなく、脳の別々の回路が同時に動いているだけ」という視点をくれるところです。たとえば不安が強いときに急に考えがまとまらなくなるのは、辺縁系が優位になって思考中枢にアクセスできなくなる、という神経的な仕組みがちゃんとある。その上で、呼吸で一時停止するだけで流れを変えられる理由も、脳内の化学物質の働きで説明されています。感情に飲まれる自分を責める必要はないし、むしろ扱い方を知れば回路を選び直せる、というのが救いでした。 さらに、「四つのキャラ」を使う考え方が、思考と感情の整理にかなり効きました。自分の中で誰が前に出ているのかがわかると、場面ごとに反応を選びやすくなるし、相手のキャラを読むことで、対話の摩擦も少し和らぎます。決してスピリチュアル寄りではなく、細胞レベルの解説から入ってくれるので、現実の行動に落とし込みやすいのもよかったです。 自分の感情の扱い方にずっと苦戦してきた人、あるいは「頭ではわかってるのに動けない」が口ぐせになっている人には、とても静かに効く本だと思います。
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