ヨムナビ
高瀬舟

高瀬舟

森 鴎外

Google, Inc. / 2011

累計読者数11
平均ハイライト数 8.6件/人
推定読了時間 約14分
star総合評価 53/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 40%

この本について

最近、自分の「足りなさ」ばかり数えてしまう瞬間が多いなと思います。もっと収入があれば、もっと余裕があれば、もっと時間があれば…と、気づけば上を見ては息苦しくなる。頭では「キリがない」とわかっていても、心が追いつかないまま一日が終わることがあります。 『高瀬舟』を読み返していて、保存されていた抜粋の多くが“喜助の満ちている表情”や“どこまで行って踏み止まれるのか”という場面に集中しているのを見て、読んだ人の迷いもそこに重なっているように感じました。喜助は決して恵まれた人ではないし、過去には悲劇もある。それでも、彼の目の奥にはかすかな明るさがあり、二百文を「自分のものとして持てた」だけで未来を楽しみにできる。その姿を前にすると、欲望の量そのものよりも、“どこで踏み止まるか”の方がずっと本質的なのかもしれません。 この物語が効くのは、人生を劇的に変えるためではなくて、日々の不安に押されて視野が狭くなったとき、「自分がいま立っている場所」を静かに映し直してくれるからだと思います。喜助と庄兵衛のあいだにある“懸隔”をたどると、自分の価値観の根っこが少しだけ揺れます。何を望むかではなく、どこで満ちるか。そこを一度ちょっとだけ見つめ直せる。 忙しさの中で、気持ちがいつも前のめりになってしまう人に、そっと効く一冊です。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

森 鴎外の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

森鴎外 -- 本名林太郎。石見国鹿足郡津和野町(現・島根県鹿足郡津和野町)生まれ。代々津和野藩亀井家の典医の家柄で、鴎外もその影響から第一大学区医学校(現・東大医学部)予科に入学。そして、両親の意に従い陸軍軍医となる。1884(明治17)年から5年間ドイツに留学し衛生学などを学ぶ。「舞姫」「うたかたの記」「文づかひ」「大発見」「ヰタ・セクスアリス」などに、そのドイツ時代の鴎外を見て取ることができる。その後、陸軍軍医総監へと地位を上り詰めるが、創作への意欲は衰えず、「高瀬舟」「阿部一族」などの代表作を発表する。(青空文庫図書カードより)
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要