
いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学 (早川書房)
センディル ムッライナタン, エルダー シャフィール, and 大田 直子
早川書房 / 2015-02-19
この本について
「時間がないって言いながら、気づけばまたギリギリまで放置してしまった」みたいな日、僕もよくあります。余裕ができたはずなのに、またすぐ詰まってしまう。気合いの問題ではなく、仕組みのほうに原因があるんじゃないか……と思い始めた頃に、この本がしっくりきました。 読んでいて刺さったのは、まず“欠乏状態では判断そのものが変わる”という指摘です。七桁の数字を覚えながら待つだけでケーキを選んでしまうように、頭がふさがっていると選択の質が落ちる。だからこそ、本当に必要なのは「強い意志」よりも「余白を先に確保しておくこと」だと腑に落ちました。スケジュールに理由のない余白を残すことが、実は大きな防波堤になるという話も、思い当たる節が多すぎます。 もうひとつは、“欠乏は視野を狭め、集中ボーナスと同時にトンネルを生む”というところ。期限が近づくと一気に進むのも、雑音のある教室で成績が落ちるのも、同じメカニズムで説明される。自分の「なんでいつもこうなんだ」というクセが、怠慢ではなく環境と認知の問題として整理されていく感覚がありました。 時間に追われて理由もわからないまま疲れてしまう人、あるいは「余裕さえあればうまくやれるのに」が口癖の人には静かに刺さる本だと思います。気持ちを奮い立たせるタイプではなく、行動の土台を整えるための現実的な視点をくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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