
インドネシア独立の戦い
山崎雅弘
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この本について
仕事でも日常でも、目の前の事情や利害に振り回されて、結局「自分は何を大事にしたいんだっけ」と分からなくなることがあります。きれいごとを掲げても、現場に入ると別の力が働く。そのギャップに疲れてしまうようなときがあります。 『インドネシア独立の戦い』を読むと、国家レベルでも同じようなズレが絶えず起きていたことがわかります。日本側は大義を語りながら実際は石油確保が最優先で、状況が変われば方針も一気に変わる。一方のインドネシア側も、独立を望みつつ、行政能力が足りない現実と向き合い、日本の統治に協力せざるを得なかった。抜粋に多い“両者の思惑と現場の折り合い”は、私たちが日々抱える迷いをそのまま拡大したように見えます。 読んでいて感じたのは、物事は「正しい/間違っている」で割り切れない場面で動いていくということです。石油ルートが断たれた瞬間に日本の姿勢が変わる場面や、独立宣言の裏にある葛藤を知ると、理想と現実の間にある微妙な判断がいかに積み重なって歴史ができているかが実感できます。結果だけを知っていると見えない、関わる人たちの逡巡が具体的に描かれているのが、この本の良いところです。 歴史を勉強したい人だけでなく、「利害の間で揺れながらも前に進もうとしている人」に静かに刺さる一冊だと思います。
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