
合本 翔ぶが如く(一)~(十)【文春e-Books】
司馬遼太郎
文藝春秋
累計読者数12
平均ハイライト数 11.1件/人
推定読了時間 約41時間49分
star総合評価 44/100
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この本について
仕事でも人生でも、「正しいはずの判断が、現実の力学に負けていく感じ」に戸惑うことってあります。理想や志はあっても、人が動かない。議論よりも空気に押し流される。そんな場面にぶつかるたびに、自分は何を信じて進めばいいのか迷うんですよね。 『翔ぶが如く』を読んでいて思ったのは、西郷や木戸、大久保といった人物たちも同じような圧力や矛盾の中にいたということです。思想が蠱惑的に膨らんで現実から離れていく瞬間や、外交が内政の火種になる体質、個人の癖や弱さが政治の流れに影を落とす様子が、とにかく生々しい。抜粋にある「小人ほど才芸があるが、上に据えると危うい」という感覚や、「物事を興すには金と人」という割り切り方など、きれいごとでは整理できない判断が重なって歴史が動いていくのがわかります。 読んでいると、理想を抱えたまま現実に折り合いをつけるとはどういうことか、少しだけ視界がひらけるような感覚がありました。人格で人を動かす場面もあれば、逆に自分の癖に足を引っ張られる場面もある。完璧な英雄像ではなく「迷いながら、それでも前に進もうとした人間」がそのまま描かれているので、自分の悩みと地続きで読めるところが多いんです。 歴史を知りたい人よりも、「判断に自信が持てないまま実務を背負っている人」に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
司馬遼太郎畢生の大長編、全十巻合本版。 西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく——。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が活写する。
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