
赤頭巾ちゃん気をつけて 改版 (中公文庫)
庄司薫
累計読者数4
平均ハイライト数 17件/人
star総合評価 47/100
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この本について
最近、何かにつけて「自分ってずれてるかも」とか「気をつかってばかりで本音がどこか行方不明だな」と感じることが多い人には、『赤頭巾ちゃん気をつけて』のあの独特の空気がしみると思います。人に優しくあろうとして空回りしたり、気取って見せたつもりが妙に浮いていたり、家族との距離感だけやたら生々しかったり。そんな場面を思い出しながら読むと、主人公の独白が妙に自分ごとに聞こえてきます。 たとえば、誰かの涙を前にして不器用な決心をしてしまう瞬間とか、周りの価値基準に合わせようとして逆に噛み合わなくなる感じとか、家の中のささいな会話に潜む温度差にふと疲れるあの感じ。抜粋を見てもらえば分かるとおり、この作品はそういう“自分の弱さや未熟さをごまかせない時間”をそのまま文字にしてくれるんですよね。読みながら、自分のあの頃の気配や、今でもこっそり抱えている癖みたいなものが勝手に浮かんできます。 何かを教えてくれるというより、誰にも言えない細かい感情を代わりに拾ってくれる。強くならなくていいけど、そのままの不器用さで続けていけばいいのかもしれない、と少しだけ呼吸が軽くなる。そんな風に働いてくれる本です。 「他人とうまくやれる気がしないけど、だからといって割り切れもしない」みたいな人には、たぶん深く刺さります。
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