
かわいそうだね?
綿矢りさ
文藝春秋 / 2013-12-10
この本について
人間関係って、正解があるようで全然つかめなくて、ときどき自分だけ感情の扱いが下手なんじゃないかと思うことがあります。素直な疑問を飲み込んでモヤモヤしたり、相手の矛盾に腹が立つのに嫌いになれなかったり、誰かの前では強くふるまってしまったり。分かってほしいのに、うまく言葉にできないまま一日が終わる。そんな経験がある人には、この小説はけっこう刺さると思います。 『かわいそうだね?』は、主人公の心の揺れ方がとても現実的で、読んでいると「ああ、自分もこうやって勝手に比べたり、強がったりしてるな」と妙に居心地が悪くなるんですが、それが逆に救いでした。たとえば、相手を思い出した瞬間に湧く親しみと嫉妬の同居とか、言わずに察する文化に振り回されてしまう感じとか、言えない不安が膨らんでいくときのどうしようもなさとか。自分の中のちょっと触りたくない部分まで丁寧に言語化されていて、読みながら「そう、これこれ」とうなずいてしまう場面が多かったです。 特に効いたのは、弱さを隠すために強く振る舞う役割をつい引き受けてしまう視点や、誰かを憐れむことの裏にある複雑な気持ちをそのまま描いてくれるところ。かっこつけても、取り繕っても、人生のどこかは雑で、適度に狂っている。その事実を否定しなくてもいいんだと思えたのは大きかったです。 人を好きになることに疲れたとき、自分の感情が面倒くさすぎると感じているとき、この物語はかなり寄り添ってくれます。そんな人にこそ読んでほしい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要









