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坂の上の雲(一) (文春文庫)

坂の上の雲(一) (文春文庫)

司馬遼太郎

ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2009-11-01

累計読者数70
平均ハイライト数 14.7件/人
推定読了時間 約5時間14分
star総合評価 61/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 30%

この本について

仕事で行き先を迷ったり、「自分だけ取り残されてるのでは」と落ち着かなくなる時期ってありますよね。努力すべきだとは思うのに、どこに力を入れればいいかが見えにくい。周りの成功談を聞いても気持ちがざわつくだけで、結局なにを指針にすればいいか分からない。そんなときに『坂の上の雲』を読むと、少し呼吸が整う感じがありました。 この巻に描かれる松山の空気や、没落した士族の子が「まず食うこと」を考えながら時代の波に巻き込まれていく姿に触れていると、立派な志よりも、環境に押されながら探していく等身大の歩き方がむしろ普通なんだと思えてきます。たとえば、好古が「勉強すればご飯が食べられる」という単純な理由で大阪に出るところや、子規が陽気さのまま東京に飛び込んでいくところ。そのどれもが後から意味づけされただけで、当人たちは迷いと現実の折り合いの中で動いているだけなんですよね。読んでいると、自分の選択の不格好さもそんなに悪くないと思えてきます。 もう一つ効いたのは、「おのれの意見もない者が他人の意見を読むと害になるばかり」という一文。情報の洪水に振り回されがちな自分には、ちょっと刺さりました。まず自分の足場をつくること。その上で外の世界を取り込むこと。明治の若者たちも、藩意識や貧しさや劣等感を抱えたまま、それでも前に出るしかなかったんだなと感じます。 迷いながら進んでいる人、道が一本に定まらないまま日々を積んでいる自分に少し肩の力を抜かせたい人には、しずかに効いてくる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

原作のストーリーを追いながら、厖大な資料を駆使して、その背後にある数多くの新事実を発掘!司馬遼太郎の名作『坂の上の雲』をさらに面白くする著者渾身の作! (※本書は2009/11/1に発売し、2022/2/10に電子化をいたしました)
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