
ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち (ちくま文庫)
打越正行
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この本について
最近、誰かの「当たり前」に自分の感覚が追いつかないとき、なんとなく落ち込むことがあります。職場でも家庭でも、背景が違う相手と向き合うと、自分がどれだけ限られた世界だけを見てきたかに気づいてしまう。そういうモヤモヤを抱えているときに、この本はけっこう効きました。 『ヤンキーと地元』は、沖縄の若者たちの生活を丹念に追ったノンフィクションですが、単に“過酷な世界の記録”ではなく、「人はどんな環境のなかで、どういう論理で動いているのか」をすごく具体的に見せてくれます。たとえば、昇給よりも“給料が満額ちゃんと入ること”が大事になる理由や、上下関係が仕事だけでなく遊びの場にまで浸透していく背景。こちらが知らないだけで、別の価値基準がしっかり存在している。そう気づくと、他人の行動を「理解できない」で切らずに済むようになります。 もうひとつ響いたのは、著者自身が、自分の無知に打ちのめされながらフィールドに入っていく姿勢です。相手にとって自分が“何者でもない存在”であることを受け入れつつ、それでも関わり続ける。その不器用さが、人と向き合うときのリアリティとして残りました。 自分の物差しだけで世界を測るのがしんどくなってきた人に刺さる一冊だと思います。
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