
友がみな我よりえらく見える日は
上原隆
幻冬舎 / 2014-06-06
この本について
同世代の友人が順調に見えて、自分だけ取り残されたような気分になることってありますよね。比べたくないのに比べてしまって、劣等感だけがじわっと残る感じ。頑張れと言われても、そもそも何を頑張ればいいのか分からないまま一日が終わる。自分の軸みたいなものがどこにあるのか、見失いがちなときがあります。 この本に出てくる人たちは、いわゆる“成功した誰か”ではなく、むしろ人生の途中で思い通りにいかなくなったり、予想もしなかった出来事に翻弄されたりした人ばかりです。でも、その中でそれぞれが自分を支える方法を、ゆっくり育てている姿が印象的でした。離婚の淋しさからフランス語に向かった人や、視力を失っても音楽を手がかりに日々をつないでいく人。家事の単調さにうんざりしつつも、手を動かすことで気持ちが整う瞬間に気づく人。派手さはないけれど、こういう“自分だけのやり方”に救われる場面は、誰の生活にもあるんだと思います。 読んでいて感じたのは、他人と比べて落ち込んだときほど、自分の足元をもう一度ていねいに確かめるしかないということでした。ノートにその日の出来事を書き出して、少しずつ自尊心を回復していく姿には、無理のない現実味があります。大きく変わらなくていい、ただ自分の手で自分を支える方法を育てればいい。そんな視点に切り替わる本です。 人と比べてしんどくなりやすい人、自分だけ遅れている気がしてしまう人に、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
読書の順序
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