
悪人のススメ (中経出版)
川北 義則
KADOKAWA / 2014-08
この本について
人付き合いで、なんとなく疲れが抜けない時ってありますよね。嫌なことがあったわけでもないのに、会ったあとの妙な消耗感だけが残る。断りきれずに参加した飲み会や、惰性で続く関係に「これって本当に必要なんだろうか」とモヤモヤする。僕自身もそこから抜け出せずに、気づけば時間も気力もすり減っていたタイプです。 『悪人のススメ』は、そんな“なんとなくいい人でい続けてしまう”状態に、少し別の角度から光を当ててくれます。たとえば、兼好法師の「用が済んだら早く帰るべし」という一文に触れて、肩の力が抜ける感覚がありました。社交の場では長くいるほど誠意があるように思いがちですが、実際には自分も相手も疲れるだけで、長居に意味なんてほとんどない。そんな当たり前を思い出させてくれます。 もう一つ刺さるのは、性善説ではなく性悪説で世界を見てみる、という提案です。聞くと少し構えてしまう言葉ですが、実際は「無条件に相手を信じすぎて自分が擦り減るのをやめよう」という、かなり現実的な視点の転換です。人の本性を疑えという極端な話ではなく、「相手も自分も弱さや利害を持っている」という前提で動くと、距離の取り方がずっと楽になるんですよね。 無理して好かれようとしてしまう人や、距離感の調整がしんどい人に特に響く一冊だと思います。読んで劇的に性格が変わるわけではありませんが、日常の小さな場面で「これ以上は無理しないでいいか」と、ちょっとだけ呼吸がしやすくなる。そのくらいの効き方が、個人的にはちょうどよかったです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
読書の順序
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