
ネアンデルタール人は私たちと交配した (文春e-book)
スヴァンテ・ペーボ and 野中香方子
累計読者数3
平均ハイライト数 11件/人
star総合評価 46/100
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この本について
「自分はいったいどこから来たのか」とか、「人間の境界ってどこなのか」とか、普段は忙しさに埋もれて考えないのに、ふとした拍子に気になってしまうことがありませんか。目の前の仕事とは関係なさそうでいて、こういう根っこの問いが揺らぐと、なぜか日常の判断にもざらつきが出てくる。僕はまさにそのタイプで、この本を読んだのはそんな時期でした。 読者が保存している抜粋を見ると、みんな“人類の分岐とつながり”に反応している感じがします。ミトコンドリア・イヴの話や、ネアンデルタール人とのDNAの距離感、そして生活空間に落ちている埃の中にまで「完全なDNAがある」という事実に、妙なリアリティを感じているはずです。こういう科学的な話は難しそうに見えるけれど、この本は「じゃあ私たちはどこから来て、何が違うのか」を丁寧にほどいてくれる。完全に断絶していると思われていたネアンデルタール人と現代人が、実は共通の祖先を50万年前に持ち、ところどころで交わっていたかもしれない。そういう“思い込みがゆっくり塗り替わる感覚”が、この本の一番おいしいところです。 読んでいて個人的に効いたのは、研究そのものが揺らぎの連続だという描写でした。多地域進化説を信じていた研究者が、遺物の解析をやめ、DNAに賭ける。仮説が覆され、また立て直す。その姿勢が、日常の仕事で「前提が崩れたときにどうするか」という判断にも静かに効いてくるんですよね。 人類の歴史にロマンを求める人というより、「自分の思い込みを一度リセットしたい時」に刺さる一冊です。
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