
この本について
仕事でも人間関係でも、「ここで引くべきか、もう一歩踏み込むべきか」がよく分からなくなることがあります。目の前の状況に振り回されて、気づけば感情で判断してしまっていたり、そもそも自分がどこに向かっているのか曖昧だったり。僕自身も、うまくいっているときほど欲が出て、余計な一手を打って崩す……みたいなことを何度もしてきました。 この本を読んで刺さったのは、「勝利を追いかけすぎると衰退につながる」という冷静な視点と、「終わりこそすべて」という徹底したラスト志向です。ビスマルクが大勝しても調子に乗らず、余計な戦を避けたように、引きぎわを決める基準を自分の中に持てるだけで、判断の質がかなり変わります。もうひとつは、感情的に反応する前に“遠くの危険”まで見通す発想です。いま気になっている小さな問題より、放置すれば確実に痛む未来のほうが大きい、という視点が入ると動き方が落ち着きます。 さらに、相手の選択肢をコントロールする話や、人が理性より感情で動く現実など、綺麗ごと抜きで「権力の場で実際に起きていること」が描かれていて、ビジネスでも組織でも思い当たるシーンが多いはずです。誰かを操ろうというより、自分が無自覚に巻き込まれないための“距離の取り方”として読むのがしっくりきます。 目の前の判断にいつも迷ってしまう人、あるいは勝っているときほど不安になる人に刺さる一冊です。
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