
最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)
草野 原々
この本について
最近、何かに「時間も感情もぜんぶ吸われてる気がするけど、まあ生活は回ってるし…」みたいなモヤモヤを抱えている人、多いんじゃないでしょうか。やめたいのにやめられないものって、本人の意思とは別のところで人生を形作ってきたりします。ソシャゲでも、仕事でも、推しでも。自分でもよく分からないまま巻き込まれていく感覚って、ときどき怖いし、でもどこか心地よくもあって。 『最後にして最初のアイドル』の抜粋を見ていると、読者が惹かれているのは「依存と正当化のリアルさ」と「常識を吹き飛ばすスケールの大げささ」が同時に走っているところなんですよね。課金を健康と結びつけてしまう視点とか、アイドル活動が死体集めになる異常さとか、ソシャゲが“器官”として進化したという極端な比喩とか。現実の感情の動きが、宇宙規模まで拡大されて描かれるからこそ、逆に自分の生活の歪みが見えてくる感じがあります。 この本が効くのは、まず「自分の行動を正当化しているロジック」をいったん笑い飛ばせるところです。やりすぎてるのにやめられない自分を、責めるのではなく俯瞰できるようになる。それから、毎日の積み重ねとか“推すこと”の意味みたいなものが、バカバカしいほどデフォルメされているおかげで、現実の小さな選択の重さが少しだけ軽くなる。最後に、依存や熱狂を単純に否定しない点も救いで、読んだあとに「自分はこれとどう付き合うか」を静かに考えられます。 推し活やソシャゲに人生の一部を持っていかれている自覚がある人には、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
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