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サラブレッドに「心」はあるか (中公新書ラクレ)

サラブレッドに「心」はあるか (中公新書ラクレ)

楠瀬良

中央公論新社 / 2018-04

累計読者数3
平均ハイライト数 34.3件/人
推定読了時間 約5時間46分
star総合評価 66/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 25%

この本について

仕事でも人間関係でも、「相手の気持ちってどこまで読めるんだろう」と悩むことが多いんですが、最近はその問い自体が少し雑だったのかもしれないと思い始めました。感情を“人と同じ形”で理解しようとするから見誤るのであって、「その生き物がどう世界を見ているか」まで下りていくと、ようやく噛み合うことがある。そんな感覚をくれたのが『サラブレッドに「心」はあるか』でした。 この本で印象的だったのは、馬が恐怖を感じると尾の位置が変わったり、コーナーで手前変換ができないだけで大きく膨らんでしまったりと、行動に“理由の手触り”があるところです。無駄に荒ぶっているように見える癖も、多くは臆病さから学習された逃避行動だと知ると、「怒っている」と短絡せずにすむ。さらに、馬は人を長期間記憶しない可能性が高い、という一文は、こちら側の思い入れや期待をそっと中和してくれました。相手に何かを過剰に背負わせず、事実ベースで付き合うほうが、むしろ関係は安定するんだなと。 読んでいて、「理解しようとする姿勢は大事だけど、人と同じ尺度だけを持ち込まないほうがいい」という視点が静かに積み上がっていきます。競走馬が年齢や体の成長だけでなく、精神的な成熟でパフォーマンスが変わる話も、人間のキャリアにそのまま重なりました。見えていない負荷や、環境による揺れを想像できるだけで、他者にも自分にも余計なラベルを貼らなくてすみます。 生き物の“心”に興味がある人というよりも、「相手の行動の裏側をもう少し丁寧に見たい」と思っている人に静かに刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「今日はできればレースに出たくないなあ」「絶好調!誰にも負ける気がしない」など、馬の気持ちがわかったら―とは、馬券を買ったことのある人なら、一度は思うことでしょう。残念ながら馬は人間の言葉を話してはくれません。しかし、その心理と行動に関する研究の進歩には目覚ましいものがあります。本書では、その成果を余すところなく紹介します。
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