
それは私がしたことなのか (新曜社)
古田 徹也
新曜社 / 20130802
累計読者数5
平均ハイライト数 62.8件/人
推定読了時間 約5時間14分
star総合評価 70/100
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この本について
自分の「意志」って、本当に自分のものなんだろうか。やると決めたはずなのに動けなかったり、逆に気づいたら何かを選んでいたり。そういう場面が積み重なると、どこまでが自分の判断で、どこからが癖や流れなのか分からなくなることがあります。私自身、仕事の場面で「なぜそう答えたんだろう…」と後から思い返してモヤモヤすることが少なくありません。 『それは私がしたことなのか』は、そのモヤモヤをごまかさずに見つめるための視点をくれました。行為や意図、欲求といった言葉を、脳科学でも精神論でもなく、具体的な場面と結びつけて捉え直していきます。「承知しましたと言いがちな傾向」みたいな、誰もが心当たりのあるクセを哲学的に説明してくれるので、自分の行動が少し立体的に見えるようになるんです。さらに、意図が頭の中の“内語”として存在するという感覚自体を問い直すくだりは、普段あたりまえに感じていた「意志」の輪郭が揺れるような体験でした。 この本のいいところは、「自由意志なんてない」みたいな極端な結論に走らず、私たちが当事者として受け取っている実感を丁寧に扱うところです。だから読んでいて、自分の弱さや迷いを否定されずに、むしろそれを材料にして考えを深めていける感じがありました。 自分の行動や責任の感覚にうっすら違和感を持っている人、あるいは「なぜあの瞬間ああ動いたのか」を理解したい人には特に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
◆倫理的思考の故郷へ
サンデル教授の公開講義ブームに始まり正しい行為とは何かを問う哲学書が人
気です。こうした本では以下のような極限的事例が議論されます。「列車が暴
走し線路上に立つ5人を轢かんとしている。ただし、眼前のレバーを引けば列
車は1人しか轢かない別の線路へと入る。引くべきか否か、その選択はどんな
理論で正当化されるのか……」。しかし、ジレンマに陥った中での苦渋の選択
というものから、倫理について多くを学べるのでしょうか。我々の目指すもの
は、こうした状況で躊躇せず正しい行為を選び取れる、ということではないの
ではないでしょうか。筆者は、我々の理解から乖離しない倫理の解明に向けて、
自由意志の有無、意図と行為の関係、さらには義務や責任と運との関係といっ
た「行為」の深い謎へと切りこみます。ままならぬ世界で不完全な道徳行為者
として生きる人間の核心に迫る哲学入門書。著者は新潟大学准教授。
読んだ内容を、もう忘れない。
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