
海外取引の成否は「契約」で9割決まる
菊地正登
この本について
海外企業との契約の場面になると、こちらは「まずは話し合いで…」という姿勢なのに、相手はもう契約書の文面どおりに進める気満々で、温度差に戸惑うことってありますよね。自分としては誠意を示しているつもりなのに、交渉の前提そのものが噛み合わず、気づけば不利な条件を受け入れていた…そんな経験、僕も何度かありました。日本での感覚がそのままでは通じないと分かっていても、どこをどう調整すればいいのかまでは分からないまま、いつもモヤモヤだけが残るんですよね。 この本は、その「噛み合わなさ」の正体をかなり具体的に言語化してくれます。例えば、英米法には過失の有無を問わない無過失責任があるから、不可抗力の事例を細かく列挙しないと後で揉める、といった背景まで丁寧に説明されていて、日本の感覚で契約書を読むと危ない理由が腑に落ちます。また、「契約書の文面は変えられなくても覚書で実質修正できる」といった現実的な対応策も多く、理論だけで終わらないのがありがたいところです。そして、交渉をパワーゲームではなく“フェアだと思えるラインを見つける作業”として捉え直す視点は、海外相手のやり取りが少しだけ怖くなくなります。 海外取引に関わる人はもちろんですが、「日本的な感覚のままで交渉に向かうのが不安な人」に特に刺さると思います。僕自身、この本を読んでようやく“相手との距離感の測り方”が分かってきた気がしますし、契約書を読むときの視点も明確になりました。日本式の善意だけで乗り切れない場面に備えたい人には、かなり心強い一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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