
仮想通貨3.0
マルク・カルプレス
講談社 / 2019-05-30
この本について
お金の動きって、普段はなるべく考えたくないのに、ふとした瞬間に「これって本当に大丈夫なんだろうか…」と不安になることがあります。銀行が当然のように存在して、円が当たり前に価値を持っている世界で暮らしているのに、ニュースで預金封鎖やインフレの話を見るたびに、足元のルールがいつ変わってもおかしくない気がしてしまう。僕自身、どこまで信用していいのかよく分からなくなる瞬間があります。 『仮想通貨3.0』は、そういうモヤモヤに対して、煽るのではなく「歴史と現実を一度フラットに見る」という方向から効いてきます。たとえば、キプロスで預金に課税された話や、ニクソンショックでドルと金の交換が止まった経緯が丁寧に説明されていて、通貨の安定って“与えられているもの”ではなく、国や情勢の上に成り立っている約束事にすぎないんだと腑に落ちました。また、ビットコインが投機として熱狂される前、ハッキングに翻弄されていた時代の空気や、PoWの仕組みが生まれた背景が描かれていて、「なぜこの技術が必要とされたのか」が、表面的な言葉ではなく具体的に理解できます。 読んでいて一番救われたのは、ブロックチェーンを“万能な未来技術”として扱わず、弱さも含めて実像に触れられるところです。技術に期待しすぎて空回りしたことがある人ほど、この現実的な視点はしっくりくると思います。自分の生活にどう関係するのか分からないまま議論だけが先行していた人にほど刺さる内容です。 通貨や金融の仕組みを、いまの自分の感覚で理解し直したい人にはちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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