
新訳 夢判断 (新潮モダン・クラシックス)
フロイト、大平健
新潮社 / 2019-04-25
この本について
最近、理由もなく不安になったり、人の言動が妙に気になったりして、「これって本当に外で起きていることなのか、自分の内側の問題なのか」がよく分からなくなることがあります。頭では切り分けたいのに、感情が先に走ってしまうあの感じです。そんなときに読み返したのが、この『新訳 夢判断』でした。 読者が保存していた「心の中のものが外にあるように見えてしまう」というプロイエクションの説明は、まさに日常のモヤモヤと地続きです。夢は奇妙な表現をとりますが、その裏側には普段押し込めている思考や感情が、遠回りしながら姿を変えて出てくる過程があります。夢の素材がどこから来て、どう加工されているのかが見えてくると、「自分の反応の背景」に少しだけ輪郭がつきます。 この本が効くのは、夢の解釈そのものよりも、無意識の動き方を具体的にイメージできるようになる点です。たとえば、説明のつかないイライラが湧いた時に「あ、これは外の問題じゃなくて、自分が投影してるだけかもしれない」と一歩引いて見られるようになること。あるいは、意味不明に思えた夢が、起きてからの感情と微妙につながっていたりして、自分の中で何が整理されていないのかに気づくこと。そういう小さな視点のズレが、日々の行動のほうにじわっと効いてきます。 こんな人に刺さると思います。自分の感情の「出どころ」にうすうす気づいているけれど、まだ言葉にできないまま抱えている人。夢を特別視する本ではなく、心の仕組みを現実の生活に引き寄せて考えたいときに、ちょうどいい距離感の一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
読書の順序
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