
作ってあげたい小江戸ごはん たぬき食堂、はじめました! (角川文庫)
高橋 由太
KADOKAWA / 2019-11-21
この本について
仕事でも日常でも、人と接するときに「ちゃんと向き合えてるのかな」とふと不安になることがあります。流れ作業みたいにこなしてしまった日の帰り道に、妙な空虚さが残る感じというか。やるべきことはやっているはずなのに、誰の顔も思い浮かばないまま終わってしまう日が続くと、なんだか自分まで薄くなるような気がしてきます。 この物語を読んでいて強く残ったのは、抜粋の「小さな定食屋だからできることがある」という一文でした。大げさな成功や劇的な展開ではなく、目の前の一人に向けて手を動かすことの確かさ。それを描く筆致がとても丁寧で、読んでいるこちらまで少し呼吸がゆっくりになるような感じがありました。忙しさの中で忘れがちな「一対一の仕事の温度」を思い出させてくれるというか、自分の作業にも誰かの顔があるはずだよな、と自然に姿勢が変わるきっかけになります。 もう一つ良かったのは、登場人物たちが完璧じゃないところです。迷ったり、遠回りしたり、それでも店を続けようとする姿が現実に近くて、自分の生活にも重ねやすい。読むと「今日は誰のために何を作ろう」と、ほんの少しだけ視線が外に向くんですよね。何か大事なことを教わるというより、隣で一緒に働いている仲間の話を聞いているような距離感が心地いいです。 目の前の人をちゃんと見たい、でもうまくできない日も多い。そんな人にほど、静かに響く物語だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの100%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本の後に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




