
話すチカラ
齋藤 孝 and 安住 紳一郎
ダイヤモンド社 / 2020-02-19
この本について
人前で話すとき、「途中で自分でも何を言っているのか分からなくなる」「結論までたどり着く前に相手の目が死んでいく」。そんな経験、僕も何度もあります。話すことって日常にありすぎて、逆にちゃんと教わる機会がないんですよね。だからこそ、仕事でも雑談でも、どこか噛み合わないまま終わってしまう。 この本が面白いのは、「話すのが苦手なら、まずは15秒で区切ってみよう」というように、感覚ではなく“扱える単位”で話し方を捉え直してくれるところです。45秒なら序破急、60秒なら起承転結。これを知っているだけで、会議での簡単な報告でも、頭の中が散らからなくなる感覚があります。また、声を少し高めにしたほうが伝わるとか、共感を先に置いたほうが相手が受け取りやすいとか、実際の場面で使える細かいコツが多いのもありがたいところでした。個人的には「自分の感情は意外と相手に伝わっていない」という指摘が刺さりました。ちゃんと言葉にして渡すだけで、反応が変わるのを何度も実感しています。 もうひとつ、この本が地味に効くのは、例え話や具体例のストックをどう増やすかまで踏み込んでいる点です。日頃から小さなエピソードをメモしておくとか、文豪の会話文に触れるとか、インプット量がアウトプットの質に直結するという話も腑に落ちました。話し方って結局“その人が何を見てきたか”がにじむもので、だからこそ急にテクニックだけで上達するものではないのだと感じます。 自分の話が「なんとなく伝わらない」と感じている人、会議や雑談でのちょっとした言葉選びに自信が持てない人に、とても実用的に刺さる一冊だと思います。僕もまだ試行錯誤の途中ですが、話すことの負荷がだいぶ軽くなりました。
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