
キリン解剖記
郡司芽久
ナツメ社 / 2019-08-01
この本について
仕事でも勉強でも、目の前のことに向き合っているつもりなのに、「本質を見ていない気がする」「名前や正解を当てにいってばかりだな」とふと立ち止まることがありませんか。私もよくやってしまいます。手元の資料ばかり眺めて、肝心の“現物”をちゃんと見ていない感じ。そんなモヤモヤの正体を、この本を読みながら思い知らされました。 『キリン解剖記』は、巨大な動物の解剖という特殊な世界の話なのに、読み進めるほど、自分の日常の姿勢がじんわり浮かび上がります。例えば、筋肉の名前にこだわりすぎて、肝心のキリンを観察できていなかったという場面。私たちも仕事の「正解」に囚われて、現場の現実を見なくなる瞬間がありますよね。名前より、まず“どことどこがつながっているのか”を観ること。これは仕事の課題にもそのまま響きます。 もうひとつ刺さったのは、「自分なんかがやっていいのか」という気持ちとの付き合い方です。著者も大失敗に落ち込み、先輩研究者ならもっと上手くやれただろうと泣いています。でも、その悔しさごと積み重ねていくことでしか、自分の目は育たない。誰かの基準に合わせるのではなく、自分の観察で確かめていく姿勢が丁寧に描かれています。 特別な技術の話に見えて、実は「自分の目で考える練習」の本です。正解に急ぎがちな人や、自信のなさに足が止まる人には、静かに効いてくるはずです。言い換えると、“考えることに不器用なまま頑張っている人”に刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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