
土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~ (光文社新書)
藤井 一至
光文社 / 2018-08
この本について
最近、環境問題のニュースを見ても「結局なにが本質なのか」がつかめず、ただ不安だけが積み上がることがよくあります。自分もどこかで“地球規模の話は抽象的すぎて、現実の生活に結びつかない”と感じていました。でも『土 地球最後のナゾ』を読むと、そのモヤモヤが少しずつ輪郭を持ちはじめました。話の中心にあるのは、結局は足元の“土”というとても具体的な存在だからです。 たとえば、雨が土に触れた瞬間に起きる化学変化や、ミミズの粘液が土の粒をまとめて通気性を生む仕組みなど、普段意識しないレベルの動きが、食べ物や災害リスク、さらには炭素循環までつながっていることが見えてきます。個人的には「腐植が大気中の二酸化炭素の2倍以上の炭素を抱えている」という話が刺さりました。環境問題が誰かの巨大な計算ではなく、土の中の微生物の呼吸にも左右されていると知ると、世界の見え方がガラッと変わります。 さらに、日本の黒ぼく土や、水とリンの特性がそろった珍しい環境の話を読むと、自分たちが暮らす土地がどれだけ“例外的”なのかにも気付かされます。これは楽観でも悲観でもなく、ただ事実として受け取れる情報で、だからこそ変に構えずに読めました。 自分と同じように「環境問題を理解したいけど、大きすぎて掴めない」と感じている人には、とても静かに効いてくる本だと思います。土という一番身近なのに見えていなかった存在を通して、世界の成り立ちがようやく手触りを持つ感覚になります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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