
善医の罪 (文春e-book)
久坂部 羊
文藝春秋 / 2023-08-02
累計読者数3
平均ハイライト数 6.3件/人
推定読了時間 約5時間49分
star総合評価 54/100
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この本について
仕事で判断を迫られたとき、「正しいと思ってやったのに、あとから責められるかもしれない」と不安がよぎることってありますよね。誰かのために動いたつもりが、立場が変わればまったく違う評価になる。そのズレに戸惑う感覚は、医療の現場に限らず、どの仕事にもあるものだと思います。 『善医の罪』を読んでいると、そのズレがどれだけ残酷で、そして避けがたいものなのかが静かに突きつけられます。手術室での緊張感の描写もリアルですが、それ以上に刺さるのは、医師たちが「医学的な正しさ」と「法的な正しさ」の間で揺れ続ける姿です。まっすぐに仕事をしてきた人ほど、裁判の場で自分の誠実さが切り刻まれていくような感覚を味わう。その過程を追いかけることで、自分が普段どれだけ“状況次第で簡単に裏返る正しさ”に寄りかかっているかを考えさせられました。 もう一つ、この本が効くのは「信じていた人が自分を守らなかったときの痛み」を丁寧に扱っているところです。いい上司だと思っていた人が、いざとなると平然と嘘をつく。その瞬間に崩れる信頼の感覚が、妙に現実的で、どの職場でも起こり得ることとして刺さるはずです。 正しさに振り回されがちな人、あるいは誠実であろうとするほどしんどくなってしまう人に向けて、そっと手渡したくなる一冊です。
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出版社による紹介
彼女は善意の名医か、患者を殺した悪魔か—— 救急医・白石ルネは、意識不明で運ばれてきた男性を、家族の同意のもと延命治療を中止、尊厳死に導く。しかし3年後、ルネを嫌う麻酔医が、ルネは積極的に安楽死を行ったと病院に告発。身に覚えのないルネだが、やがてマスコミも巻き込む大問題に発展、遺族も白石を告訴するが……医療×法廷ミステリーの新たな傑作誕生! ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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