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能面検事の奮迅 (光文社文庫)

能面検事の奮迅 (光文社文庫)

中山 七里

光文社 / 202107

累計読者数4
平均ハイライト数 6.3件/人
star総合評価 54/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 90%

この本について

仕事で理不尽な判断や、どこから来たのかわからない圧力に巻き込まれると、「自分は何と戦っているんだろう…」と急にわからなくなることがあります。正しさを貫きたいのに、現実の手続きや思惑がぐちゃっと絡んでくると、気力だけでは太刀打ちできない場面も多いですよね。 この本を読んでいる人が保存していたのも、まさにそういう“現場の空気”を伝える部分でした。例えば、福島駅を出た瞬間の深い伸びのような静かな始まりもあれば、国有地払い下げや学園の審査延長といった、現実そのままのような不透明な案件が唐突に動き出す場面もある。高峰検事が取り囲まれる描写には、正面突破だけでは解けない重苦しさが漂っていて、読者はそこに「自分のモヤモヤとつながる何か」を感じたのだと思います。 本作が効いてくるのは、勧善懲悪の爽快さではなく、混沌の中でどう視点を保つかを見せてくれるところです。圧力の正体が見えないとき、どこを確認すべきなのか。手続きが歪められた瞬間、どの線を越えさせてはいけないのか。派手ではないけれど、現場で迷う人間の目線で積み上げていく感じが、現実の仕事にそのまま重なるはずです。 正しさと現実の距離感にいつも悩んでしまう人に届く一冊だと思います。

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