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護られなかった者たちへ

護られなかった者たちへ

中山 七里

宝島社 / 2021-08

累計読者数56
平均ハイライト数 7.3件/人
推定読了時間 約9時間36分
star総合評価 57/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 39%

この本について

日々まじめに暮らしているだけなのに、「どこかで一歩踏み外すかもしれない」という不安がふっと顔を出すことがありますよね。あるいは、誰かの厚意をどう受け取ればいいのか迷ったり、世の中の不公正に割り切れなさを抱えたまま仕事に向かっていたり。自分もそういう曖昧なモヤモヤを抱えたまま、この本を読みました。 『護られなかった者たちへ』は、犯罪や更生という重いテーマを扱いながらも、「普通に生きている私たち」と地続きの問題を丁寧に描いています。前科者とそうでない人の違いは垣根の高さだけだ、という一節にあるように、人が誤りを犯す可能性を変に特別扱いしない視点がまず刺さりました。そして、厚意や思いやりは“一対一の交換”ではなく、受け取ったものを次の誰かへ渡していく形で広がるものだという言葉は、自分の中の窮屈な道徳観をほぐしてくれました。さらに、制度の不備や社会の偏見を真正面から扱う描写によって、「個人の努力ではどうにもならない現実」を見ないふりしなくていいのだと少し救われました。 人を裁くことに疲れているとき、あるいは自分の正しさに自信がなくなっているとき、この物語は視界をゆっくり広げてくれます。こんな人に刺さると思います。正義や善意をまっすぐ信じられなくなっているけれど、それでも人と関わることを諦めたくない人。 読み終わる頃には、「誰が護られて、誰が護られなかったのか」という問いが他人事ではなくなります。自分の立ち位置をそっと確かめ直したいときに、静かに寄り添ってくれる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

号泣必至! 佐藤健、阿部寛出演! 10月1日映画公開予定の「骨太社会派ヒューマン・ミステリー」ついに文庫化です。 誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。 怨恨が理由とは考えにくく、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。 しかし事件の数日前に、一人の模範囚が出所しており、男は過去に起きたある出来事の関係者を追っているらしい。そして第二の被害者が発見され――。 社会福祉と人々の正義が交差したときに、あなたの脳裏に浮かぶ人物は誰か。 ※画像はポスタービジュアルです
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