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本心

本心

平野啓一郎

コルク / 2023-12-06

累計読者数39
平均ハイライト数 10.1件/人
推定読了時間 約6時間11分
star総合評価 49/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 23%

この本について

ときどき、自分の感情の動きがよく分からなくなる瞬間ってありませんか。誰かの言葉に妙に傷ついたり、過去の記憶がふいに蘇って足を止めたり、優しくしたつもりが相手にどう届いたのか不安になったり。生活はちゃんと続いているのに、心の中だけが少しズレているような感覚です。僕自身も、そういう「説明しづらい揺れ」に振り回されることが多いタイプです。 平野啓一郎の『本心』は、その揺れそのものを丁寧に追っていく小説でした。抜粋にもありましたが、母との距離感の中で立ち上がる微妙な後ろめたさや、優しさという言葉の曖昧さに戸惑う感じ。あるいは、孤独が思い出したように体の隙間から入り込んでくる描写。こういう部分に反応した方は、きっと「自分が何に傷ついているのか」を説明できずに困った経験があると思います。それを物語の中で主人公が代わりに掘り下げてくれるので、読んでいるだけで自分の内側の形が少し見えるようになるはずです。 もうひとつ、この作品が効くのは「関係の作り方に迷っている人」に対してです。友達という言葉に陶然とする場面や、言葉を共有すべきか迷って控える場面など、他人と近づくときの微妙な怖さがそのまま描かれています。誰もが欠落を抱え、それを別の何かで埋めながら生きているという視点は、他人を理解するためというより、自分をこれ以上責めすぎないために役立ちます。 自分の感情の細部に気づきたい人、あるいは「うまくやれない自分」を抱えたままでも前に進みたい人には、静かに刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

主題は「最愛の人の他者性」 分人主義の最先端、傑作の長編小説 【映画『本心』2024年11月8日(金)全国公開公開】 監督・脚本 石井裕也 × 主演 池松壮亮 × 原作 平野啓一郎 “今”描かれるべき 《人間の存在そのもの》 に迫る傑作小説の映画化! 「愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか?──」 『マチネの終わりに』『ある男』に続く、平野啓一郎 感動の最新長篇 ロスジェネ世代に生まれ、シングルマザーとして生きてきた母が、生涯隠し続けた事実とは── 急逝した母を、AI/VR技術で再生させた青年が経験する魂の遍歴。 「常に冷静に全てを観察している賢い主人公の感情が、優しくそして大きく揺れるたび、涙せずにはいられない。」 ── 吉本ばなな 「私たちの存在価値と欲望は、これから何処へ向かうのか。コロナ後の世界、並外れた傑作。」 ──池松壮亮 ◆ 四半世紀後の日本を舞台に、愛と幸福の真実を問いかける、分人主義の最先端。 ◆ ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。 ◆ 読書の醍醐味を味合わせてくれる本格小説! 【あらすじ】 舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、を探ろうとする。 母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。 さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。 『本心』特設サイト ▶︎ https://k-hirano.com/honshin
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