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透明な迷宮(新潮文庫)

透明な迷宮(新潮文庫)

平野啓一郎

累計読者数4
平均ハイライト数 7.5件/人
star総合評価 48/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 51%

この本について

歳を重ねるほど、自分の気持ちに振り回されたり、他人との距離感に迷ったりしませんか。人に言えない嫉妬や自己嫌悪、返事を待つ二日間の長さみたいな、小さくて説明しづらい感情ほど処理に困るものだと思います。僕自身もよく「なんでこんなことで揺れるんだろう」と戸惑うことがあります。 『透明な迷宮』を読むと、その揺れが少しだけ言語化されます。例えば、自分に無関心でいようとする感覚とか、誰かを憎みながら同時に求めてしまう矛盾とか、長い時間で育ててしまった孤独を他人に触られたくない感じとか。どれも大げさに dramatize されていないのに、妙に身に覚えがあるんですよね。読んでいると、自分の内側にずっとあったけど形にできなかった気分が、静かに輪郭を持ちはじめます。 そしてこの小説は、人生を変えるような派手な教訓は言いません。むしろ、記憶が上書きされていくことや、誰か一人が気づくと周囲も気づき始めるような、小さくて現実的な変化が積み重なっていく。読後に残るのは「自分の迷いにも、こういう質感があったのか」という発見で、その視点の変化が不思議と日常の余白を広げてくれます。 自分の感情のこまかい揺れをそのまま置いておきたい人、あるいは説明できない孤独を抱えている人には、とても静かに刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

異国の深夜、監禁下で「愛」を強いられた男女の数奇な運命を辿る表題作を始め、孤独な現代人の悲喜劇を官能的に描く傑作短編集。
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