ヨムナビ
ネメシスの使者 (文春文庫)

ネメシスの使者 (文春文庫)

中山七里

文藝春秋 / 2020-02-05

累計読者数15
平均ハイライト数 10.8件/人
推定読了時間 約4時間48分
star総合評価 56/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 39%

この本について

最近、正しさとか制度とか、人の「扱われ方」について考え込むことが多いんですよね。理屈では説明できても、現場の感情とはまったく噛み合わない瞬間があって、そこで妙な無力さが残る。特に犯罪や刑罰の話になると、正義を語る側の都合だけが前に出てしまう感じがして、割り切れないまま終わることが多いです。 『ネメシスの使者』を読んで刺さったのは、まさにその割り切れなさを真正面から扱っているところでした。たとえば「極悪人の集団に閉じ込めて矯正を期待するのは狂気」という一文。制度として成立していても、人としての感覚からするとどこか歪んでしまう構造を、作中の人物の迷いごと提示してくれるんです。また、遺族側と制度側の論理がどうして埋まらないのかも描かれていて、単に「理解し合いましょう」では済まされない距離があることを、変に綺麗ごとにしないのがありがたいところでした。組織が自分の体面を守るために人を駒として扱ってしまう描写も、仕事をしていると他人事とは思えないはずです。 正義とか罰とか、簡単な答えがないテーマに向き合いたい人には特に刺さると思います。読んでスカッとする話ではないけれど、自分が普段どんな基準で他人を判断しているのか、どこで思考停止しているのかに気づかされる一冊でした。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

中山七里の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

死刑判決を免れた殺人犯の家族が次々と殺されていく——。 驚愕の結末待ち受ける社会派ミステリ! 死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が犠牲となる連続殺人事件が発生。 殺害現場に残されていたのは、ギリシャ神話に登場する「義憤」の女神“ネメシス”の血文字。 『テミスの剣』の渡瀬刑事が謎を追う。 事件は遺族による加害者への復讐か、はたまた司法制度への挑戦か? “ネメシス”の真の狙いとは!? 〈ドンデン返しの帝王〉が司法システムと死刑制度の矛盾に正面から挑む傑作社会派ミステリ! 解説・宇田川拓也 ※この電子書籍は2017年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要