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死にゆく者の祈り(新潮文庫)

死にゆく者の祈り(新潮文庫)

中山七里

新潮社 / 2022-03-28

累計読者数5
平均ハイライト数 19.8件/人
推定読了時間 約4時間32分
star総合評価 57/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 27%

この本について

日々、人の善悪や責任の境目が分からなくなったり、「この判断って本当に正しいのか」と胸のどこかがざわつくことがありませんか。誰かを救おうと動くほど、その裏で別の誰かを傷つけている気がして、正解のない場所に立たされているようなあの感じです。僕自身も仕事で判断を迫られるたびに、割り切れなさを抱えたまま過ごすことが多いです。 『死にゆく者の祈り』は、その割り切れなさから目をそらさずに向き合う物語でした。僧侶や弁護士が語る「人間の弱さ」や「善の裏にある悪」の感覚が妙にリアルで、読んでいて何度も立ち止まります。たとえば、迷っている相手には自分の疑念を見せず、肯定する役割を背負う僧侶の姿に、人を支えるってこういう矛盾を呑み込むことなんだよな、と気づかされました。また、死刑囚に寄り添うことが被害者遺族を再び傷つけるという指摘は、正しさと優しさが同時に成立しない場面が世の中には確かにあると実感させられます。 結局、登場人物たちも聖人ではなく、弱さを抱えたまま選択しています。その不完全さが、こちらの曖昧さとどこか地続きで、読後に少しだけ肩の力が抜けました。自分の判断に絶対の答えを求めすぎなくていいのかもしれません。 正しさと迷いの間でもがいている人に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

何故、お前が死刑囚に。教誨師の高輪顕真が拘置所で出会った男、関根要一。かつて、雪山で遭難した彼を命懸けで救ってくれた友だ。本当に彼が殺人を犯したのか。調べるほど浮かび上がる不可解な謎。無実の罪で絞首台に向かう友が、護りたいものとは――。無情にも迫る死刑執行の刻、教誨師の執念は友の魂を救えるか。急転直下の“大どんでん返し”に驚愕必至。究極のタイムリミット・サスペンス。(解説・村上貴史)
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