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三島由紀夫 シリーズ・戦後思想のエッセンス

三島由紀夫 シリーズ・戦後思想のエッセンス

浜崎 洋介

累計読者数3
平均ハイライト数 3.7件/人
star総合評価 39/100
boltライト読書型

この本について

人と違う自分を残したいのか、それとも「みんなと同じでいたい」のか。どちらを選んでも少し後ろめたさが残ってしまう時期ってありますよね。頭で考えるほど、自分の身体や欲望や不安がどこに向かっているのか分からなくなってしまうあの感じです。僕も三島を読む前は、このモヤモヤに名前すら付けられませんでした。 この本は、そこでいきなり“答え”を提示するタイプではありません。むしろ、三島が戦後ずっと抱えていた「頭の中の自分」と「肉体としての自分」のズレに一緒に踏み込んでいくような読書体験です。例えば、鍛えられた肉体が「皆と同じだ」と感じさせてくれる場所になるという指摘は、一見突飛ですが、個性を求めすぎて疲れてしまった自分にとっては妙に落ち着く視点でした。また、社会的な役割を脱ぎ捨てたときに出てくる“内密な自分”に光を当てるくだりは、普段避けている感情や衝動とも、少し距離を変えて向き合えるきっかけになります。さらに、少年三島が「言葉しかない自分」に絶望しながら、それでも遠くの火に慰めを見いだす場面は、うまく言葉にならない焦燥を抱えている人ほど刺さるはずです。 仕事でも人生でも、「自分の奥にある得体の知れないもの」を何となく放置したまま進んでしまっている人に向いています。読み終わるころには、抱えていたモヤモヤの形が少しだけ輪郭を持ち、扱い方のヒントが見えてくるはずです。

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