
DX推進から基幹系システム再生まで デジタルアーキテクチャー設計・構築ガイド
野村総合研究所, 下田 崇嗣, 齋藤 大, 鶴田 大樹, 中尾 潤一, 神原 貴, 浦田 壮一郎, 野村 敏弘, 森田 暁, and 塩田 郁実
この本について
システム更改に関わっていると、「どこから手を付ければいいのか分からないまま、現行の負債だけが積み上がっていく」みたいな感覚がつきまといます。データは散らばっているし、古い言語は触れる人が減るし、クラウドに寄せたい気持ちはあっても現実はそんなに単純じゃない。自分も現場で同じように立ち止まることが多いです。 この本は、そういう行き詰まりに対して大げさに解決策を示すわけではなく、まず何をどう見れば状況が整理されるのかを丁寧に並べてくれます。たとえばデータカタログの説明は「データの所在が分からない」という日常的なモヤモヤに直結していて、単なる概念紹介ではなく、どう検索し、どう定義をそろえれば現場が回り始めるのかが具体的でした。また、7階層のアーキテクチャーやデータレイクの扱い方など、抽象論に逃げず、実際の判断基準として使える粒度で書かれています。さらに、COBOLからJavaへの変換が“Javaの形をしているだけのCOBOL”になってしまう事例など、耳の痛い話も包み隠さず出てくるので、安易な移行に踏み切る前の冷静な材料にもなります。 全体として、魔法のようなDXの本ではなく、「現場の制約を踏まえたうえで一歩前に進むには何を見直すべきか」を考えるための土台になる一冊でした。レガシーを抱えたまま変化に追われている人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの59%が集中しています。
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