
虚ろなるレガリア Corpse Reviver (電撃文庫)
三雲 岳斗、深遊
KADOKAWA / 2021-06-10
この本について
仕事でも人間関係でも、自分の立ち位置がふっと揺らぐ瞬間ってありますよね。やるべきことは分かっているのに、どこに立って何を見ればいいのか分からなくなる。頭では整理しているつもりでも、気持ちだけが置いていかれるようなあの感じです。 『虚ろなるレガリア Corpse Reviver』を読んでいて、読者の方が「ヤヒロ」や「舷側」の場面を残していたのを見て、きっとその“立ち位置の揺れ”に反応したんだろうなと思いました。キャラが舷側に立って外の世界を見下ろすような、あの微妙な距離感。関わりたいけれど踏み込めない、守りたいけれど名乗り出るには勇気がいる。そういう曖昧な心の動きが、この作品はとても丁寧なんです。行動と感情のズレがそのまま描かれるので、読んでいるこちらの迷いまで整理されていく感じがありました。 そしてヤヒロという人物の「目的のために動いているはずなのに、どこか満たされない」ような空気感が、日常にそのまま重なる人は多いと思います。曖昧さを排除せず、それでも前に進む姿が描かれているので、読後に自分の迷いが少しだけ言語化される。大きな勇気をくれるというより、「今の自分の立ち位置でもいいのかも」と思わせてくれるタイプの物語です。 こんな人に刺さると思います。目的はあるのに、心だけが追いつかないまま進んでいると感じている人。読んでいる間だけでも、自分の迷いを安全に眺められる時間になります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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