
知識ゼロからはじめる 現代アート投資の教科書
徳光健治
イースト・プレス / 2021-09-17
この本について
アートを見るたびに「好きか嫌いかは分かるけど、価値の違いまではよく分からない」とか、「結局どうやって選べばいいのか…」と立ち止まることが多い人は多いと思います。僕も同じで、美術館で足は止まるのに、その先の判断になると急に霧がかかったようになる瞬間がありました。そんなモヤモヤを崩してくれたのがこの本でした。 面白いのは、アートを知ることが“感性を磨く”とか“世界が広がる”みたいな曖昧な話ではなく、実際の行動に落とし込める知識としてまとまっているところです。例えば、アートの価値が「発明性」と「インパクト」で決まるという視点を知ると、展示で立ち止まる理由が変わりますし、3分で説明できない作品がなぜ評価されにくいのかも腑に落ちます。さらに、アート市場がどれだけ“民主化”と“大衆化”に動いているかを知ると、いま自分の感じている違和感の正体が整理されていく感覚があります。作家の意図を全部理解しなくていいというメッセージにも救われました。 この本の良さは、アートを崇高なものとして扱わず、日常の目線で「どう観ると自分にとって意味があるか」を教えてくれるところです。作品数が市場をつくるという話や、作家の素養をどう見れば未来の価値に繋がるのかという考え方は、スタートアップを見る感覚に近くて、妙に現実的なんですよね。アートフェアでの立ち回り方のような実務的な話も、知らないままだったら損をする類の知識でした。 アートを“雰囲気”ではなく“根拠をもって楽しみたい人”には刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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