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ある少女にまつわる殺人の告白 (宝島社文庫)

ある少女にまつわる殺人の告白 (宝島社文庫)

佐藤青南

累計読者数3
平均ハイライト数 1.3件/人
star総合評価 37/100
boltライト読書型

この本について

最近、ニュースで見た誰かの行動や表情が、急に「わからなくなる」瞬間がありませんか。自分の近くにいる人でさえ、その奥に何があるのか読みきれない。そういうときって、理由もなく落ち着かなくなるんですよね。善意に見えた言葉や、小さな気遣いの裏側を考えはじめると、途端に世界がざわつき出す感じがあります。 この物語の抜粋を見ていると、まさにその“ざわつき”に反応している読者が多いのだと思います。長崎の空気が色を変える描写や、人参を食べられない子を励ます優しい同僚の姿は、一見すると穏やかで日常的です。でも、その日常があとから別の意味を持ち始める。警察に見せられた写真で心臓が止まりそうになるあの感覚は、身近な人の「知らない顔」に触れてしまったときの衝撃そのものです。 この本が効いてくるのは、こうした“人の輪郭のゆらぎ”に敏感なときです。普段の言動がほんの少し違って見える瞬間や、信じていた相手の別の側面を知ったとき、自分の判断は本当に正しかったのかと迷うことがあります。この物語は、その迷いを煽るのではなく、視点を横にずらすようにして、人の複雑さに向き合う余白をつくってくれます。事件ものではあるけれど、恐怖よりも「人をどう理解するか」というテーマが静かに残るタイプの一冊です。 身近な誰かの言動に揺さぶられやすい人、あるいは自分の“見方のクセ”をそっと確かめたい人には特に刺さると思います。

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