
この本について
忙しさに流されていると、気づけば「ちゃんと考えたはずなのに、なんだか固いまま」の状態になっていることがあります。失敗を引きずったり、常識に寄りかかって判断してしまったり、わかりやすさばかり求めてしまったり。頭を使っているつもりなのに、どこか息が詰まる。そんなときに、この本がちょうどよかったんです。 外山滋比古さんの「やわらかく、考える。」は、考えることに“余白”を取り戻してくれる本です。たとえば、忘れることを前向きに扱う視点はかなり新鮮でした。覚えようと詰め込むと発想が硬くなるけれど、いったん手放すと、削られたエッセンスだけが残って創造につながる、という感覚は、仕事の行き詰まりにもそのまま使えます。また、「よそいきの頭ではうまく働かない」という話は、無理に整った思考をしようとして逆に動けなくなる自分を思い出して、妙に納得しました。さらに、日本語の“曖昧さ”をポジティブに扱うくだりは、はっきり言い切れない自分を責めがちな人ほど救われると思います。 全体として、この本は「正しく考える」ための指南書ではなく、「自然に考えるための環境を整える」ような感覚に近いです。考えすぎて疲れた頭を、もう少し自由にしてくれる感じ。 焦って結論を出そうとしてしまう人、あるいは“ちゃんと考えないと”と力んでしまう人に、特に届くと思います。
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