
差別は思いやりでは解決しない ジェンダーやLGBTQから考える (集英社新書)
神谷悠一
集英社 / 2022-08-17
この本について
日常の会話の中で、「それって大げさじゃない?」「大丈夫でしょ」と軽くまとめられてしまう感じに、どうしてもモヤモヤすることがあります。自分が過敏なのか、相手が雑なのか、その判断がつかなくて疲れる。ジェンダーやマイノリティの話題になると、なおさら空気の読み合いが起きて、どこまで話していいのか分からなくなる瞬間があると思います。 この本は、そういう“説明しづらい違和感”を、制度や構造の話として整理し直してくれます。例えば、法律に「禁止」と書いてあっても罰則がなければ実質的には守られにくい、という当たり前だけど見落としがちな現実を丁寧に解いてくれます。また、マイノリティ側が毎回カミングアウトの「度合い」を考えざるを得ない負担や、「なんでもハラスメントになる」と言う人ほどポイントを見ていない、という指摘も、自分の身の回りの場面に置き換えやすくて腑に落ちました。感情論ではなく、現実の運用や環境によって何が起きているのかを、無理なく理解できるところが助けになります。 個人的には、「思いやり」だけで場が回っているように見えて、実際には何も変わっていない状況をどう捉えればいいのかが少しラクになりました。相手を責めたいわけではなくても、自分の感じた重さに名前をつけられると、次にどう動けばいいか考えやすくなるものです。 身近なやりとりの違和感の理由を、ふわっとさせたままにしたくない人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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