
ええかげん論
土井善晴、中島岳志
ミシマ社 / 20221021
この本について
忙しいわけでもないのに、なぜか毎日が「ちゃんとやれていない気がする」ときってありますよね。仕事でも生活でも、丁寧さを意識すればするほど、逆にぎこちなくなるというか…。私自身、きれいに整えようとすると余白がなくなって、むしろ大事なものが見えにくくなる瞬間があります。 『ええかげん論』を読んでいて強く感じたのは、“うまさ”や“正しさ”を積み上げるほど本質が遠ざかる場面って、実はどの分野にもあるんだなということでした。プロの声優じゃないほうが伝わる声があるとか、技術を捨てた落語のほうが心に届くとか、そういう話を読むと、自分が無意識に背負っていた「ちゃんと感」が少しゆるむんですよね。いい物を見続けて目を育てつつも、同時に自然の揺らぎみたいなものを受け入れる姿勢。その両方があって初めて、自分の“ええかげん”が形になるんだと腑に落ちました。 特に印象的だったのは、料理を通して「人為を殺しながら美しくする」とか、「微妙に狂うのがいい」といった感覚が語られるところ。何かを生み出すって、少しの破壊を伴うし、計画どおりにいかない部分こそが味になる。来たものに反応していくうちに、自分の輪郭がにじんでくる。その視点に触れると、完璧にしようとして固まっていた肩の力がふっと抜けました。 決めすぎず、放り投げすぎず、その都度の判断で動いていきたい人に、この本はじんわり効きます。日々の調子を整えたいけれど、型にはまる生き方は合わない、そんなタイプには特にしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
目次
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




