
すべての、白いものたちの (河出文庫)
ハン・ガン and 斎藤真理子
晶文社 / 20171011
この本について
最近、自分の中に説明しづらい重さがあるときがあります。元気に動けている日でも、どこかで「この感覚はどこから来るんだろう」と足が止まる。過去のことなのか、今のことなのか、自分でもよく分からない。ただ確かに、自分の中のどこかがまだうずいている。そんなときに読むと、無理に答えを出さなくてもいいと思わせてくれたのが「すべての、白いものたちの」でした。 この本は、喪失や不調を“事件として”描くのではなく、日常の呼吸のような細い揺れとして扱います。たとえば、生まれてすぐに亡くなった姉の存在を追いながら、自分の体が何度も壊れかける感覚や、「人生はいずれ自分を捨てる」という疑いを抱えたまま前に進もうとする様子が、とても静かに書かれている。読んでいるうちに、自分の中にも説明し損ねてきた痛みが、ようやく言葉の端っこに触れられたような気がしました。境界をまたいだ赤ん坊の呼吸や、白く笑う人の表情に、自分の記憶がそっと呼び起こされるような感覚もあります。 大きな救いが与えられるわけではないし、世界が明るく塗り替わるわけでもない。でも、苦痛がすべてを染めるわけではないこと、壊れながらも進んできた時間がちゃんと自分をつくっていることを、過度に dramatize せずに思い出させてくれる。本当に静かに効いてくる本です。 「自分の過去と折り合いきれていない感覚が、ずっとどこかに残っている人」に、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




