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ずっと喪 (光文社文庫)

ずっと喪 (光文社文庫)

洛田 二十日

累計読者数6
平均ハイライト数 1.7件/人
推定読了時間 約4時間44分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 50%

この本について

仕事でも人間関係でも、頭では割り切れているはずなのに、気持ちのほうが置いてけぼりになる時ってあります。忘れたつもりの誰かのことを急に思い出したり、過去の選択がふいに胸に刺さり直したり。理由は説明できないのに、妙にざわつくあの感じです。自分でも扱いづらい感情に振り回されると、どこに立てばいいのか分からなくなりますよね。 『ずっと喪』を読んでいて印象的なのは、読者が何度も保存している「ろくすっぽ」という言葉のリズムや、「再会」を「期せずして」と言い換えるところでした。整理しようとするとこぼれ落ちてしまう感情を、そのままの重さで受け止める視点があるからだと思います。無理に意味づけるのではなく、起きてしまった出来事の“予期しなさ”にそっと光を当ててくれる。土着信仰というキーワードに反応している人は、説明のつかないものを排除せずに抱えておきたい、そんな気持ちをどこかで持っているのかもしれません。 この物語は、過去との向き合い方を劇的に変えてくれるタイプの本ではありません。でも、忘れ切れないものを無理に片付けようとしなくてもいい、と呼吸がひとつゆるむような読後感があります。思い出が自分の生活にどう居座っているのか、立ち上がってくるタイミングにどんな癖があるのか、そういう細部が少しだけ見えるようになる。そんなふうに、現実の歩幅に合わせてくれるところがありがたい作品です。 「過去のことをうまく扱えず、たまに足元をすくわれるような感覚がある人」に特に刺さると思います。

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